モラルジレンマとは?|武蔵浦和の自立支援、就労移行支援「アイトライ武蔵浦和センター」

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モラルジレンマとは?

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こんにちは、アイトライ武蔵浦和センター支援員の渡邊です!

早いものでもう12月ということですが、急に冷え込みましたね~(^^;

今年もあと1ヵ月ありませんが2021年は皆さまにとってどんな一年でしたか?

 

私事ですが、今年の9月にアイトライとの出会いがあり、2021年の中で一番のいいことでした☆来年もより一層精進してまいりますのでよろしくお願い致します!

 

さて、アイトライ武蔵浦和センターでは、先日初めての「モラルジレンマ」というプログラムを行いました

モラルジレンマとは、ある究極の二択を迫られた時、そもそもその選択肢はどちらか一方を選んだり、捨てたりすることができないものなので、どちらかを選ぶということがそもそも間違っているというシチュエーションのもとで心に起こる葛藤を指します。

モラルジレンマの例題として最も有名なのは、トロッコ問題ではないでしょうか!そしてアメリカハーバード大学の教授、マイケルサンデルの「ハインツのジレンマ」という話があります。

 

今回はハインツのジレンマというお話を紹介していきましょう。

 

『ヨーロッパで一人の婦人がたいへん重い病気のために死にかけていました。その病気は特殊な病気でしたが、彼女が助かるかもしれないある薬があり、それはおなじ町の薬屋が最近発見したラジウムの一種でした。その薬の製造費は高かったのですが、薬屋はその薬を製造するのに要した費用の10倍の値段とつけていました。薬屋はラジウムに200ドル払い、わずか一服分の薬に2000ドルの値段をつけたのです。 病気の婦人の夫であるハインツはあらゆる知人にお金を借りに行きましたが、薬の値の半分の1000ドルしかお金を集めることができませんでした。かれは薬屋に妻が死にかけていることを話し、薬をもっと安くしてくれるか、でなければ後払いにしてくれるよう頼みました。しかし薬屋は「だめだ、私がその薬を発見したんだし、それで金儲けをするつもりだからね」と言うのです。ハインツは思いつめ、妻のために薬を盗みに薬局に押し入りました。』

 

さて、この究極の二択を迫られたときあなたならどちらを選びますか?

もちろん盗みに入ることは犯罪ですので、そのことについて肯定はできません。ただ、もし自分がハインツだったら…?大事な家族を救う唯一の方法がこれしかなかったら…?と思うとハインツの気持ちも分かってしまう気がします。

こちらについては、様々な意見がでました。「いくら事情があったとしても犯罪を犯してはいけない」、「自分の大切な人のためなら盗みに入ってしまうと思う」、「人命の方が大事だ」、「薬屋が意地悪だと思う」、「苦労して開発し、盗まれた薬屋の気持ちは?」

など1つのテーマでたくさんの見方や意見が出ました。

所詮フィクションでしょ?実際にそんな場面に立たされないでしょ?と思う人も多いかもしれません。しかしモラルジレンマはいたるところに潜んでいるのです。

 

モラルジレンマとは、みんなでひとつの話を読んで、それについて自分はどう思うのか、なぜそう思うのかを発表し合うプログラムです。皆さんそれぞれの意見に優劣、勝ち負け、正誤はつけません。

みんなの意見を聞くことで、「ひとつの短い話に対して、こんなに色々な考え方があるんだ」と実感できるでしょう。

この「色々な人がいて、色々な考え方がある」という気づきが、社会で他人と心地よい関係を作るにあたって、とても大切になります。是非参考にしてみてくださいね(*^-^*)