スタッフHの論文レビュー 「坂井郁恵・水野恵理子(2011) 地域で生活する精神障害者の生きがいの特徴」
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こんにちは! 埼玉県さいたま市南区、武蔵浦和駅の近くにあります「就労移行支援/自立訓練(生活)事業所、アイトライ武蔵浦和センター」のスタッフHと申します!
唐突に始まりましたこの企画も3回目の記事を書くことができました。
当事業所でのイベントや訓練内容に結びつくような論文をレビューし、私自身の感想も述べていきたいと思います。
今回取り上げるのは、「坂井郁恵・水野恵理子(2011) 地域で生活する精神障害者の生きがいの特徴」という論文で、日本看護科学会誌に31巻の3号に寄稿された論文です。
特に「生きがい」に注目して、当事者の方の「語り」からデータを抽出しているので、これをお読みなっている方々も共感する部分が多いかもしれません。
生きがいには2種類の文脈で使用されることが多く、1つは「現在置かれている自分の精神的な状態をより高めることを求める」こと。もう1つは「生きがいが低いと思われがちな極限状態にいる場合に前向きに生きる力」ということです。今回の論文では、この2点はあまり区別せずに、取り上げられています。
当事者の「語り」から抽出された、現在の生活の中で感じる生きがいとしては、「他者の存在と関わり」、「現在の生活への肯定的な感情」、「趣味」、「仕事」などのカテゴリーが見出されており、生きがいに影響を与えた体験としては、「他者による肯定的な理解と助言」、「現在の生活」、「生きがいの気づきにくさ」などがありました。
地域で生活する精神障害者の生きがいの特徴として、①他者の存在の重要性と②普段の生活の中にある生きがいを挙げています。①は、長期にわたる回復過程において生きがい・目標を見失う方々が、他者からの助言や指摘によって、自らでは気づきにくい症状や生活のしづらさの回復に目を向けることきっかけとなるとしています。②においては、全ての調査対象者が作業所やデイケアなどの何らかの社会資源を利用しながら日々の生活を送っており、そのような場所で過ごす時間や活動の面白さなどが、日々の張り合いを生み、自身の生きがいにつながっていたとしています。
上記のような当事者の方々の語りから得られた結果をもとに、アイトライ武蔵浦和センターでもメンバーさんと一緒に「生きがい」を探していければと思っています。
「働くこと」や「自立すること」だけでなく、一人一人がそれぞれの目標を持って、日々の活動をしています。是非とも一緒に生きがいや目標を探してみませんか?
※アイトライ武蔵浦和センターでは現在在宅支援も行っております。
感染症予防を徹底しながら、見学・体験も受け付けております。 まずはお気軽にお問い合わせください。
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