「スマホ脳」
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今日は訓練プログラム講座でも取り上げた、最近のベストセラー「スマホ脳」について書きたいと思います。
大変面白く且つ、非常にためになる本だった。
結論から言うと、「スマホへの過度な依存により、人類の知能・思考力(考える力)はだんだん低下するという内容である。
ただ単にスマホの害をうたうだけではなく、人類が長年の進化の過程で取得してきた脳内物質、ストレス、精神疾患など私たち障害福祉サービスに携わる人間にとっても非常に参考になることが分かり易く、論理的に書かれている。
それもそのはず、この本は現在、スウェーデンで注目されている若手精神科医の著作だからだ。
スマホやPCに依存し過ぎると、人間はだんだんと頭を使わなくなり、今まで出来ていたことが出来なくなりつつあるという。例えば、カーナビなどでも使われているGPS。カーナビを使えば、初めて行く場所でも、目的地を入力し案内を開始すれば誰でも簡単に行くことができる。だが、カーナビを使っている限り絶対に道は覚えられない。
かつてカーナビなどなかった時代、車で初めて行く場所に到達するためには以下のプロセスが必要だった。
・地図を見て、目的地までの経路を調べる。
・地図を頭に叩き込む(覚える)
・経路を忘れてしまったり、道に迷ったりしたら再度地図を見返す(繰り返し見る)。
カーナビを使えば、以上のような「面倒な」作業は一切必要ない。入力・視認・ガイダンスを聞くだけである。頭はほとんど使わない。確かに便利だ。
でもちょっと考えてみて欲しい。今まであたりまえに出来ていた、「地図を見て目的地に行く」という簡単な行為が出来なくってしまってはいないか?
スマホ・パソコンにしても同じである。知らない単語が出てきたら、GoogleやWikipediaで検索すればすぐに出てくるし、面倒な計算はExcelがやってくれる。辞書を引いたり、暗算をしたりする必要はない。だから、どんどん出来なくなる。
脳は、筋肉と同じように使っていなければ衰えていく。したがって、スマホやPCなどに頼り切っていると人はどんどん知能・思考力が低下していくということだ。
更に、この著者の優れているところは、ちゃんと反論・自分の考えへの反証も挙げている点だ。
スマホ・PCは害ばかりでなくメリットもあるという反論である。例えば、面倒なことは全てスマホ・PCやAlexaなどに任せ、人間様はもっと「創造的」(?)なことをする余裕ができるかもしれない、などである。決して、自分の意見を正当化も押し付けもしていないところがいい。
いずれにせよ、「テクノロジーの進歩が、本当に人々を幸せにしているのか?」ということを考えてみる必要がありそうだ。
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